2020/11/30 00:03



”サスティナブル・ライフ・スタイル”を直訳すると”持続可能なライフスタイル”です。

では、何が”持続可能”なのでしょうか?それについては後で述べたいと思います。

まず、日本で”サスティナブル”という表現が注目を浴び始めたのは2015年。”SDGs=Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)”という環境に対する国際基準の取組みを採択したことが大きなきっかけです。

しかし、それ以前に国際社会では開発に対する世界規模での取組みがすでに始まっていました。

1972年、ローマクラブによる「成長の限界」の発表と、その年に開催された国連環境会議(ストックホルム会議)において、地球規模の環境開発に対する警鐘が鳴らされました。それによると、「人口と工業投資がこのまま成長を続けると地球の有限な天然資源は枯渇し、環境汚染は自然が許容しうる範囲を超えて進行することになり、100年以内に成長は限界点に達する」という結論でした。

これを契機に、国際社会は大きく動き出したのですが、日本ではまだ認識度が低く具体的な取組みに対する体制がほとんどありませんでした。

2016年、ようやく「SDGs実施指針」として政策的にまとめられ、国民一人ひとりが具体的に取組むための要領が発表されました。

その序文を要約すると、”「2030年アジェンダ」および「SDGs」として掲げられる17のゴールと169のターゲット、232の指標は世界全体の経済、社会、環境の三側面を不可分のものとして調和させ、誰一人取り残すことなく貧困、格差の撲滅等、持続可能な世界を実現するための統合的な取組みであり、先進国と開発途上国がともに取組むべき国際社会全体の普遍的な目標である。”とあります。

しかし、この取組みに対する現状の評価では、日本は特定分野においては達成度が高いとされる一方、課題が残る分野がかなりあることが明らかになっています。

特に、SDG12(生産・消費)、SDG13(気候変動)、SDG17(実施手段)、SDG1(貧困)、SDG10(不平等)においては達成度に課題が残ると評価されています。

この最も身近とも思える課題に対して、私たちはもっと何かできるのではないでしょうか。

そのためには、一人一人がスキルを身につけていく必要があります。つまり、現代的・社会的問題に対して地球規模の視野で考え、自らの問題として捉え、身近なところから取組むということです。さらに進めると、WHOによる具体的な”スキル”の定義があります。

「Life skills are abilities for adaptive and positive behavior, that enable us to deal effectively with the demands and challenges of everyday life」(日常生活で生じる様々な問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力)

こうして見ると、自分の視野から取組みを始めることができることが分かります。そして、「持続可能なライフスタイル」とは二つの意味を持って説明することができると思います。

一つは、自分自身が持続的に行うことができる日常生活の改善。もう一つは、自分を取り巻く環境が持続的に調和するよう行動すること。

”サスティナブル・ライフ・スタイル”は、ファッションや流行ではなく、これからの日常生活そのものになっていくべき生き方です。